ぶん回し歩行どうすればいいですか?

ぶん回し歩行どうすれば?質問に答えて

Q.5年前に脳出血で倒れ以後右半身にまひが残っています 動画の中の仕事復帰 ~の中の赤線、歩行時に ぶん回し歩行 を直したい、どこに注意すればいいか教えてください。

A .はじめまして、リハジムこるくぼ~どの河津です。〇〇様は脳出血後の麻痺 これまで苦労されてきていると思います。そして5年たった今もまだ改善したいと思うお気持ちがあっての御質問、麻痺改善にはそのお気持ちが大切だということ、まずはお伝えしておきます。

さて、ぶん回し歩行の状況でどこを注意をとの御質問ですが、例えばこの動画を見た時、ぶん回している歩行と改善している歩行の違いについて、〇〇さんなりにどこが変わっているか、ぶん回しているときとそうでないときの変化の違いを説明することができるでしょうか?『そんなこと言われても、専門家でないのでわかるわけがない』と言われるかもしれませんね。

では、一緒に動画を見直し一緒に考えてみましょう。ただし文章では一方的であり〇〇さんの都度の疑問に答えながらではないので一般論となること、必ずしも〇〇さんの状況と一致しないこともあることを御容赦ください。また、この説明文章にすると恐ろしく長文になります。伝えたいことの100分の1以下、体について知るというどのように分析してゆくかの考え方を示す事を参考にして頂きたく、了解いただけたら幸いです。 

再生中はぶん回しをしていない方の歩きを想像して、どこが違うだろうか考えてみましょう。自分が健康な時はぶん回しをせずにどんな風だったか、思い出せるとより効果的です。麻痺してからの歩きを考えてはいけません。つい最近の悪い歩きで考えてしまします。今すぐできるようにと今の状態でどうやろうとイメージして行っているために多くの方がより悪い癖を強めて姿勢がわるくなっています。目標は麻痺以前のような姿、歩き方ではないでしょうか?

では説明を開始します


動画再生 ▶ をクリック 右足つま先が床から離れた瞬間の10秒で一時停止Ⅱをクリック(編集しなおしたブログ掲載の動画であればそのままでも静止画となります)

さて、この時点でぶん回しの状況がすでに始まっています。
左右の腰の高さを見ると右が左より高くなっています。

歩行というのはこの状況のように片足立ちになることを交互に繰り返します。
その時に、この状況のように浮かした足側の腰の高さが高くなっている状況が
ぶん回し時にはみられます。

片足立ちになっているということはどういう事?
当然ですが右足が浮いているので左足が床について支えている状況
すべての身体の重さを左足に置いている状況です。
そして歩くためにはこの片足でバランスをとって右が着地するまでの耐空時間が必要です。
耐空時間を稼ぐためにこの動画の方の方法の一つが右腰を左より高くしているということになります。

右腰をあげればあげるほど右足は身体の右外方向に向かう、すなわちぶん回しになります  

ただ、腰の高さの分析では不十分です。腰を上げるようになってしまっているのは何故かを探る必要があります。この画像から腰を上げているのはどこを使ってあげているかわかりますか?

この答えを探るためには、体の動き、形、姿勢の変化はどこで起きているかを知らなくてはなりません。
『脳からの指令』『筋肉の収縮や弛緩』と言われるかもしれませんが
その通りですが、以外にもう1点大切な事がありますが?
もしこれがなければ、脳や筋肉があっても絶対に姿勢の変化は作れません。

最近のフィギア系の人形の多く或いはリカちゃん人形なら形を変えれますが、博多人形はいかがでしょうか?陶器で型で焼かれた博多人形は形変えれませんね。

答えは人形に継ぎ目があるかないか・・・・継ぎ目、人で言えば?・・・関節ということになります。当然な事のように思うでしょうが、しかしその当然の関節に意識を持つことをしっかり教えてもらったことがないと、多くの出会った麻痺の方々は言われます。

では、動画に戻ります。左の腰が上がっているのはどこの関節で行われているか?

動画のよう右足立ちになるためにはどうしますか?関節を使いますがどこを先ず動かし使いますかと聞くと、
多くの方が
『左の膝を曲げます。』『左股関節を曲げる』と言います。
                                                   療法士、プロでもそういってしまう事あります。
その前に行う事、あるいは左膝や股関節は、その後に曲げるというよりも、その準備で曲がってしまう状況になってしまっているのですが・・・
  
先に『すべての身体の重さを左足に置いている状況』と言いましたが、二本足の場合
重さは二つの足に置かれています。これを徐々に片側、動画の場合右に移してゆきます。  この重心移動をする前に、左の膝や股関節を曲げたらどうなりますか?左に倒れまませんか?

では、右足に重心を移すには?

重さを右足に持ってゆくには、身体のどこかを右側に移動させる必要があります。
その移動をさせている関節が答えになります。

動画静止画のところに戻ります。右足裏は支点で動きませんが、身体は徐々に右に移動しています。
正面を向いた状態で物理的に右へ体を移動させる動きができる関節はどこでしょうか?
A:首の骨右横に曲げれば頭は右、左横に曲げれば頭が左に移動し、頭分の重さは移動するも、頭だけでは重さが十分でない✖
B:胸骨や腰椎曲げられば重さが左に移動しますが・・・・△
C:膝の曲げ伸ばしは正面向きでは前後ろ側に曲がるので高さは変わっても左右に身体は移動しません✖
D:足首大きな動きは身体を前後に動かします。若干の左右に身体を動かします△
概ね身体の移動に影響を与える関節を上方から順に説明しましたが、大切な関節を一つ抜いています。

肩?肘?手首?手を動かしても体のほとんどの重さは変わりませんね。バランスを崩した時に手の移動を使う事ありますが補助ということになります。動きも大きく多軸多方向、関節の周りにも数多くの太く強い筋肉がついている関節があります

E:股関節 足の付け根、大腿骨と骨盤の継ぎ目、腰を右にも左にもこの関節を軸に移動させることが出来ます

さて、動画に再度戻りますが、男性は身体が右に傾いていますが足の付け根右股関節はどんな使い方をしているでしょうか?

正面を向いている静止画静の右掌の辺りが股関節になりますが、股関節で体の重さを右に移す状況に働いていません。股関節の上に骨盤が乗っていますが、骨盤は右に横スライド移動していません。

その代わりに骨盤より上の骨の腰椎を若干右曲げ、その重さ利用して右足関節を外くるぶし方向に傾け、足外に重心、不安定、この状況でバランスをとるためには左足を浮かし、外のほうに回して、支点が右足小指外側、左足先と頭で天秤のやじろべい状態で右片足立ちになっています。

頭や体の上半身が右傾の分、左を外に出しバランスをとっているのがぶん回しの歩行です。

この状況を改善するには、右股関節を使いお尻を右に移動することが必要になります。
足の付け根、外側大腿骨の大きな骨の頭を手で触る事が出来ますが、この骨が右に移動、左が上がるのではなく、逆に下がるようにして、頭上半身は逆に左に傾くようになります

やじろべい構造としては、足の裏は外側の一部でなく全体で(動画男性で言えばもっと内側も使い)股関節は外側の大きな骨(大転子)が外に出して骨盤が右スライド、上半身や頭は左方向に移動して、右移動したお尻と左に残った上半身と頭でバランスを取り、左足はバランス機構か解除されて自由に動けるように、足の裏も外側だけでなく全体で支えるようになるので、ぶん回し時よりも安定してきます。麻痺の方が歩行時に麻痺した手が固く握り上がる場合、この不安定さが力みの原因でなっていることがあり、手が固くなることの解消には、歩行を治すことが必要な場合も多くあります。

ぶん回しになってない側の赤線側のお尻はぶん回し側よりも右方向に移動していることを確認してみてください。


尚、足の裏の重さの感覚や前後方法のバランス、頭の位置、骨盤の動きに対する膝や股関節の動きなど、実際にはもっと確認が必要で、その一つ一つ出来ていること、できていないことの確認をし脳に再認識と再教育をすることが必要です。

また、言葉で表現するとこのようにとても難しくなります。

〇〇様の状況がこの分析にすべて当てはまるわけでもありません。残念ながら簡単にワンポイントをお教えして改善するほど麻痺の改善はかんたんではありません。個人トレーナーについて徹底的に学ぶ必要を感じ、私たちは病院のリハビリ期間では十分に伝えきれていない麻痺改善の状況を一緒に考え取り組む活動をしています。簡単ではないが、数年前の発病であっても麻痺の改善は、一つ一つ問題を分析してステップを歩めば改善は可能と考えていま
難しい説明長時間お付き合い頂きありがとうございます。

判らない点などありましたらまた質問をください。

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